千本釈迦堂
千本釈迦堂(本堂)
大報恩寺の見所
大報恩寺 本堂(釈迦堂)
正式名称を大報恩寺という千本釈迦堂は、おかめ物語や12月の大根炊きで有名です。
創建は鎌倉時代の安貞元年(1227年)で義空によって創建されました。本堂(釈迦堂)は応仁文明の乱などの度重なる災害にも焼けることなく残り、京都市内では最古の仏堂建築物です。
国宝である本堂(釈迦堂)のほか、重要文化財として木造釈迦如来坐像(附 天蓋)、木造十大弟子立像 10躯などがあります。
- 創建年
- 安貞元年(1227年)
- 宗派
- 真言宗智山派
- 本尊
- 釈迦如来(国・重要文化財)
- 札所
- 新西国三十三箇所観音霊場第16番
おかめ物語
上棟式の御幣(参照:田村工務店)
鎌倉時代に大報恩寺の本堂(釈迦堂)を作った大工の棟梁(高次)は、大事な柱の寸法を間違い短く切ってしまいました。そのことを知った妻のおかめ(阿亀)が枡組を使うようにアドバイスし高次は無事に本堂建築の大任を果たすことができました。
しかし、おかめは女のアドバイスで棟梁が仕事を完成させたことを知られてはいけないと本堂の上棟式を待たずに自害してしまいました。高次は上棟の日、妻おかめの冥福とお堂の無事を祈っておかめの面を御幣につけて飾ったと言われています。
この話を伝え聞いた人々が、貞淑で才知に長けたおかめ(阿亀)の菩提を弔うために、大報恩寺の境内に宝篋印塔(おかめ塚)を建てました。この言い伝えから、大工の信仰を集め今日でも上棟式にはお多福の面を着けた御幣が飾られるようになりました。
行事・お祭り
- 節分会
- 2月の節分時に、おかめ塚でおかめ節分が行われます。豆まきやおかめ音頭が踊られます。
- 大根炊き
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12月7日、8日 成道会法要で、大根を炊いて信者などに振る舞われる。厄除けに良いと伝えられています。
鎌倉時代の僧(慈禅)がはじめた大根の切り口に梵字を書いて息災祈願を行ったことが起源です。 - 千本の釈迦念仏
- 吉田兼好の「徒然草」にも書かれた念仏会。遺教経会ともいわれます。
御参拝情報
- 国宝本堂・霊宝殿拝観料
- 500円
- 拝観時間
- 国宝本堂・霊宝殿拝観は9:00~17:00
- 所在地
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京都府京都市上京区今出川通七本松上ル溝前町
Tel 075-461-5973 - 交通手段
- 市バス「上七軒」下車徒歩3分
北野経王堂願成就寺
北野経王堂・願成就寺
足利三代将軍の義満が、明徳の乱で兵を挙げた敵である山内氏清や戦いに倒れた敵味方兵士の冥福を祈るために、北野天満宮の門前に「北野経王堂願成就寺」を建立しました。建立当時は東山三十三間堂の二倍半もあるという大きなお堂だったといいます。
しかし、江戸時代に入って北野経王堂願成就寺は荒廃し、寛文11年に解体縮小され小さなお堂となりました。この時に、北野経王堂願成就寺の仏像や経典、義満の宝物などは大報恩寺(千本釈迦堂)に移されました。現在は霊宝殿に保存されています。
現在、千本釈迦堂の境内にあるのは、もとの北野経王堂願成就寺を解体した木材を使って復元、縮小されたものです。堂の前には、山内氏清の碑が建てられています。