下鴨神社年中行事
下鴨神社 管弦祭にて
下鴨神社の行事
洛北の地にある下鴨神社(賀茂御祖神社)は町中にあるとは思えない大きな森(糺の森)に囲まれ、現代に平安期の自然を伝える貴重な世界遺産ともなっています。
下鴨神社で行われるお祭りなどの行事はたくさんあります。その中でも京都三大祭りの一つである「葵祭(賀茂祭)」は平安時代から伝わる古いお祭りです。下鴨神社では、そのほかにも四季折々に人々の健康祈願や厄除けを願っていくつかのお祭りが行われます。
- 蹴鞠(けまり)はじめ
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日程 1月4日
「けまりはじめ」は、水干し烏帽子と鞠装束に身を包んだ鞠足(鞠を蹴る人)が「アリ」「ヤア」と声を掛け合って巧みに鞠を蹴る行事です。
けまりは1400年以上前に仏教伝来とともに、中国から伝わったとされています。日本サッカー協会がシンボルマークに「八咫烏」を使っているのは、下鴨神社が蹴鞠を行事として受け継いでいるからでしょう。
(参照:河合神社-任部社) - 初えと祭
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日程 1月8日
下鴨神社本殿前にある七つの「えとの社」のお祭りです。
下鴨神社の大国さまは、生まれ年の干支を守る神さまで、七つの社にそれぞれの干支を守る「名を変えた大国さま」が祀られています。 - 節分祭
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日程 2月3日
冬から春に季節が変わる節目が節分です。
下鴨神社では節分祭として「副餅、福豆まき」を行い厄払い、開運を願います。同じ日に境内では朝から「古神札焼納神事」「追難弓神事」など多彩な伝統行事が行われます。 - 葵祭(賀茂祭)
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日程 5月3日
葵祭は京都三大祭りの一つで、平安時代から天皇のお使いが下鴨神社、上賀茂神社に使わされる官営の行事です。祭りのハイライトは、平安時代の装束に身を包んだ化粧行列の行進です。行列は京都御所を出発し、下鴨神社に立ち寄ったあと、上賀茂神社に向かいます。 - 流鏑馬神事(やぶさめ)
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日程 5月3日
流鏑馬神事は葵祭の行事の一つとして行われています。明治初期、東京遷都などで100年以上中断していましたが、昭和48年に流鏑馬神事として復興しました。 - 御手洗祭(みたらし祭)
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日程 土用の丑の日(前後4日間)
毎年土用の丑の日前後に行われ、神池である御手洗池に足をつけ罪や穢れを祓い、無病息災を願う夏祭りです。 - 矢取神事
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日程 8月7日
立秋の前後に行われる夏越祓が矢取神事です。罪や穢れを人型の紙の人形に託し、みたらし川に流します。御手洗池に50本の齋串(矢)を立て、紙の人形を流す瞬間に氏子が矢を取り合う勇壮なお祭りです。
みたらし祭(御手洗祭)
みたらし祭のお札
みたらし祭は足つけ神事とも言われ、下鴨神社境内にわき出すみたらし川に足をつけ、無病息災を願う夏祭りです。みたらし祭は毎年土用の丑の日に行われ、古来夏に流行することが多い「はやりやまい」を避けるため、厄払いしたことがお祭りの起源です。
- 日程
- 土用の丑の日(前後4日間)
- 主祭神
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井上神社(御手洗社)
みたらし川の源流がわき出している井戸の上にお社があることから、井上神社と言われています。
(参照:御手洗社) - ご神徳
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無病息災
延命長寿
脚気、足腰の病
安産
かんむし封じ
入り口でローソクとうちわ受け取る
御手洗池にかかる輪橋
入り口でお供え料200円を払い、ローソクを受け取ります。ローソクは御手洗池横の小さな祠のローソクから火をもらい、井上社そばの祭壇にローソクをお供えします。
「みたらし祭」は足つけ神事とも言われ、1年でも最も暑い土用の丑の日に下鴨神社境内にわき出る神池(御手洗池)の冷たい水に足をつけます。水の冷たさで心身共に清められるようです。
膝下まである御手洗池
輪橋と楼門
御手洗池は意外に深く、膝上までしっかり裾をあげないと濡れてしまいます。あまりの気持ち良さに泳ぎ出す子供もいますが、もちろん遊泳は禁止です。
御手洗池を上がってふり返ると輪橋の向こうに下鴨神社楼門が見えます。輪橋の右袂に見える木は光琳の梅です。夏は緑に覆われています。
(参照:光琳の梅)
供養ローソクの元火
御手洗池から見た井上神社
御手洗池の横に作られた小さな祠にローソクの火が灯されています。ここで、お供え用のローソクに火をつけます。
火をつけたローソクは、井上神社のそばにある祭壇にお供えします。この日は風が強くほとんどのローソクは燃え尽きる前に消えてしまっています。
無病息災祈願にお札を書く
お札を神水で供養
みたらし祭りのお札は足形になっています。お札に願い事を書くことができます。
願いを書いたお札は、井上神社の前にあるご神水が流れるお札入れに入れ供養してもらいます。
紅葉の秋
西鳥居から下鴨神社本殿を望む
下鴨神社の秋の一日を写真に納めました。
温暖化の影響で京都の紅葉は毎年少しずつ遅くなっています。京都市内にある下鴨神社は嵐山や東山の紅葉スポットよりもさらに遅れて紅葉シーズンがやってきます。
下鴨神社境内はもみじの本数はあまり多くなく、紅葉する木々よりも落葉木や常緑木が多いので紅葉狩りスポットとしてはあまりメジャーではありません。
人でごった返す東山の紅葉スポットを避けてゆっくり秋の日を過ごすなら、下鴨神社や糺の森が比較的すいていて快適かもしれません。
参道から大鳥居を望む
大鳥居から南側参道を望む
大鳥居近くの参道脇紅葉が参拝者を迎えてくれます。今年は雨が多かったこともあり、きれいな紅葉がみられます。
西鳥居脇の紅葉
鳥井脇の紅葉をクローズアップ
下鴨神社でもっとも美しく紅葉するもみじが、西鳥居脇にあります。このもみじはよく手入れされていて、比較的長期間紅葉を楽しめます。
大炊所横の紅葉
奈良の小川脇の紅葉
紅葉の楽しみは赤く燃え立つような木々を愛でることや、落ち葉の降り積もった様を眺めることもあります。糺の森に流れる「奈良の小川」に覆い被さるもみじは落ち葉も美しいです。
河合神社の紅葉
糺の森から河合神社の鳥居を望む
糺の森南側に位置する河合神社のまわりも、美しい紅葉がみられます。河合神社境内には大きな銀杏の木もあり、黄色く色づいた姿は壮観です。