下鴨神社
下鴨神社 正面鳥居
下鴨神社参観ガイド
下鴨神社 中門
正式名称を「賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)」という下鴨神社は、京都を流れる鴨川と高野川に挟まれた三角地帯に位置します。
御祭神の賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)は古代の京都山城を開かれた神さまです。玉依媛命(たまよりひめのみこと)は賀茂建角身命のお子さまです。
下鴨神社の歴史は古く平安京が造営される遙か以前から神聖な場所だったのです。例えば、崇神天皇七年(紀元前90年頃)に神社の瑞垣の修造がおこなわれたという記録も残っています。平安京の造営に当たって、下鴨神社で造営祈願が行われました。以来、国民の平安をご祈願する神社と定められました。
玉依媛命のお子さん「賀茂別雷大神」は上賀茂神社の御祭神で、下鴨神社と共に賀茂神社と総称され、京都三大祭りの一つ葵祭(賀茂祭)が両社で催されます。
- 御祭神
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賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと) 西殿
玉依媛命 (たまよりひめのみこと) 東殿 - ご神徳
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賀茂建角身命は
世界平和、五穀豊穣、殖産興業、身体病難解除
方除、厄除け、入学、就職の試験などの合格、交通、旅行、操業の安全
玉依媛命は
婦道の守護神として縁結び、安産、育児
- 文化財など
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本殿 西殿、東殿(国宝)
祝詞屋、幣殿、中門など多数(重要文化財) - 拝観料、拝観時間
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下鴨神社は参観自由
本殿参拝時間
夏時間 AM 5:30~PM 6:00
冬時間 AM 6:30~PM 5:00
特別拝観の十二単衣の着付などは有料(要予約)
午前10時~午後4時 - 問い合わせ先
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京都市左京区下鴨泉川町59
TEL:075-781-0010/FAX:075-781-4722
駐車場あり 駐車料金30分 ¥150
縁結びの神・相生社
相生社(あいおいのやしろ)
連理の賢木
下鴨神社の楼門そばに相生神社という縁結びの神さまが祀られています。
御祭神の神皇産霊神(かむむすびのかみ)は縁結びの神、結納の守護神としてあがめられています。めでたいことを「相生」といいますが、この言葉は「相生社(あいおいのやしろ)」からできた言葉です。
相生社の側に「連理の賢木(れんりのさかき)」という不思議なご神木があります。2本の木が途中から1本に結ばれています。縁結びの神のお力で結ばれたと言い伝えられています。不思議なことにこの木が枯れると、下鴨神社境内の糺の森に同じように結ばれた木が見つかるのです。現在のご神木も4代目だそうです。この縁結びのご神木は「京の七不思議」の一つとされています。
- 御祭神
- 神皇産霊神(かむむすびのかみ)
- ご神徳
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縁結び、安産、育児、家内安全
- 御祈祷など
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縁結びの御祈祷を受け付けている
古い結納品の奉納、祈祷も受付
お守り
えんむすびの絵馬
厄よけの水守
えんむすびの絵馬に願い事を書いて、縁結びのお社「相生社」の横にある「連理の賢木」の回りを男性は左回りに、女性は右回りに3回廻ってお願いしましょう。この御祈祷は3度行い、3度目に絵馬掛けにかけておきます。(絵馬:500円)
御手洗池の水(御神水)が入っている水守です。厄除けとくに病気を寄せ付けないといわれる水守です。(水守:500円)
比良木社のお札
海難除けのお守り
比良木(ひらき)社のお札、開運厄よけのお札です。(お札:500円)
渡航安全のお札です。
光琳の梅
輪橋と光琳の梅
御手洗祭りや葵祭の斎王代の禊ぎに使われる御手洗川にかかる輪橋(そりはし)の側に梅の木があり「光琳の梅」と呼ばれます。
この梅は、尾形光琳が「紅白梅図屏風」(国宝)に描いた梅です。尾形光琳は江戸時代の京都画壇の代表的画家、工芸家です。「紅白梅図屏風」は光琳の晩年の作と言われ京都の新町通り二条下ル(二条城の東方)の光琳の自宅で描かれたと伝えられます。
さざれ石
さざれ石
日本国歌にうたわれている「さざれ石」とは、ちいさな石という意味です。さざれ石は年とともに大きく成長し、岩になると信じられている神霊の宿る石です。
国歌の原典は「古今和歌集」にも詠まれた生き石伝説「さざれ石」です。下鴨神社の「鴨の七不思議」の中に、「泉川の浮き石」や「御手洗の神石」伝承が残っており、石に宿る神聖な力をを現しています
- 泉川の浮き石
- 昔、紅葉橋のたもとに雨乞いを祈る「こがらし社」がありました。願いがかない雨が降ると泉川の石が飛び跳ねたと伝えられます。
- 御手洗の神石
- 日照りや戦乱の時、御手洗川の流れをかき回すと小石が跳ね、願いがかなうと言われています。
下鴨神社文化財
三井神社(みついじんじゃ)
御手洗社(みたらしのやしろ)
「三井神社」は山城国『風土記』に「蓼倉里三身社」とある社で、本宮の若宮(若々しいご神霊)としての信仰があり、賀茂建角身命、玉依媛命、伊賀古夜媛命の三神がまつられています。(重要文化財)
御手洗社(みたらしのやしろ)は井戸の上に祀られることから井上社とも言われます。御手洗社から湧きだす清水で葵祭の斎王代の禊ぎや土用の丑の日に行われる足つけ神事(御手洗祭り)が行われます。御手洗池から湧き出るアワを人の型にかたちどったのが「みたらし団子」で、ここが発祥の地とされています。
(参照:みたらし祭)
舞殿(まいどの)
橋殿(はしどの)
「舞殿」は下鴨神社境内の中央に位置します。葵祭の時天皇の勅使が御祭文を奏上され東游が奉納される場所です。(重要文化財)
「橋殿」は御蔭祭のとき、御神宝を奉安する御殿です。9月のお月見の時には名月管絃祭、お正月の神事では神事芸能が奉納される社殿です。(重要文化財)
神服殿(しんぷくでん)
細殿(ほそどの)
「神服殿」は、古来殿内の一室が行幸の時に玉座となった殿舎です。夏、冬の御神服を奉製する御殿であったため、神服殿という名前がついています。(重要文化財)
「細殿」は、歌会、茶会などが行われる殿舎です。平安時代の『神殿記』にも「細殿」の記録があり、歴代天皇の行幸、上皇、法皇、院、関白の賀茂詣の時に、歌会などが行われた社殿です。(重要文化財)
下鴨神社冬風景
2008年冬、京都は雪景色に覆われることが多いです。下鴨神社の雪景色を撮影しましたのでご紹介します。
下鴨神社正面鳥居から楼門を望む
楼門と楼門回廊(ろうもんかいろう)
「正面鳥居」も雪が積もると神秘的な表情を見せてくれます。4月にはさくら吹雪が楽しめる参道は、本物の雪景色に覆われました。
「楼門と楼門回廊(ろうもんかいろう)」は桧皮葺の屋根がすっかり雪に覆われています。日頃見慣れた赤に茶色の楼門がこの日だけは紅白のコントラストが映えます。
光琳の梅
輪橋から光琳の梅、下鴨神社中門を望む
「光琳の梅」がすっぽり雪に覆われて開花が遅れそうです。光琳の梅は今年もつぼみをたくさん付けています。例年通りまもなく甘い香りと可愛い花を楽しませてくれるでしょう。
輪橋(反り橋)から下鴨神社の中門方向を見ています。輪橋は日頃から渡れないように封印されています。最も勾配が急すぎて人が渡るには適していません。このとき雲が晴れて青空が顔を出しました。
橋殿(はしどの)
相生社(あいおいのやしろ)
「橋殿(はしどの)」も雪に覆われています。橋殿は神事や芸能の舞台として使われています。舞台の後に飾られた金色の屏風が雪景色に映えています。
「相生社(あいおいのやしろ)」は縁結びのお社として多くの男女がお参りされています。こんな雪の日には願掛けの御祈祷(連理の賢木の回りを3回廻ること)は、足下が悪いので気をつけて廻らないといけません。
奈良の小川
糺の森・参道
「奈良の小川」の周辺は平成の発掘で平安時代からほぼ同じ位置に小川の遺稿が見つかっています。また、小川のそばでは石敷遺跡が見つかりこの辺りで祭事が行われていたと思われます。
「糺の森・参道(ただすのもり・さんどう)」日頃はたくさんの参拝客でにぎわう下鴨神社参道も雪で人影もまばら。このときばかりは野鳥のサンクチュアリとなっていました。