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2009年05月 アーカイブ

2009年05月19日

大田神社

太田神社 本殿
大田神社 本殿・拝殿

大田神社の見どころ

太田神社のカキツバタ保全
大田沢カキツバタ育成協力

太田神社(おおたじんじゃ)は古くは恩多社(おんたしゃ)とも言われた古い神社で延喜式にも載せられている式内社です。太田神社は上賀茂神社(賀茂別雷神社)の摂社で、上賀茂を開墾して栄えた賀茂氏によって崇敬されました。

御祭神として天鈿女命(あめのうずめ)が祀られています。天鈿女命を御祭神とされている神社の多くは、芸能の神として信仰されています。太田神社も芸事の御神徳があるのかもしれませんが、現在では太田神社東側にある大田の沢に群生する「かきつばた」が有名です。

御祭神
天鈿女命(あめのうずめ)
社格
式内社
上賀茂神社の摂社
文化財など
「大田の沢」野生のかきつばた群生
国の天然記念物に指定

かきつばた群落 (国の天然記念物)

太田神社 カキツバタ2
かきつばた群生山側
大田の沢 かきつばた1
かきつばた群生道側

古代、上賀茂神社や太田神社がある上賀茂の地は沼地で、賀茂氏によって開墾されたと言われています。大田神社の東側には今も約2千平方m2の沼沢地が残り「大田の沢」と呼ばれています。この沢には古代より野生のかきつばたが美しく群生したと言われ、平安時代の和歌の大家で『千載和歌集』の編者として知られる藤原俊成(ふじわら の としなり)も大田神社のかきつばたを歌に詠んでいます。

  神山や大田の沢のかきつばた
   ふかきたのみは 色にみゆらむ

(意味:上賀茂神社の御降臨山である神山の近くにある大田神社のかきつばたに、
ふかくお願いする恋(いろ)は、かきつばたの色のように一途で美しく可憐なんだろう)

カキツバタの見頃は5月上旬から5月中旬頃です。
大田の沢のかきつばたは、古代の京都が湖だった頃の植生を良く残していると認められ、昭和14年に国の天然記念物に指定されました。

御参拝情報

カキツバタ育成協力金
300円
拝観時間
日の出~日没
交通手段
市バス上賀茂神社前下車 徒歩約10分
駐車場
上賀茂神社駐車場利用可

大田神社 行事など

太田神社 拝殿を望む
高い位置にある拝殿・本殿
太田神社 参道2
本殿から参道を望む

大田神社は上賀茂神社の摂社ですが、起源は上賀茂神社よりも古く上賀茂では最古の神社と言われています。平安時代の保安元年には鳥羽天皇が大田神社に来宮され、それ以来天皇家や貴族の信仰を厚く受けられています。
大田神社は4月10日と11月10日に例祭が行われます。また、1月5月9月のそれぞれ10日に御内儀祈願祭が行われ、国家・皇室の繁栄、天皇・皇后両陛下の御身体の御安泰を祈念されます。

行事・お祭り

大田神社 例祭
4月10日 春の例祭
里神楽(ちゃんぽん神楽)が奉納されます。
11月10日 秋の例祭
神楽や火焚祭が行われます。
大田神社御内儀祈願祭
1月10日 御内儀祈願祭
5月10日 御内儀祈願祭
9月10日 御内儀祈願祭
国家・皇室の繁栄、天皇・皇后両陛下の御身体の御安泰を祈祷
幸在祭
2月24日 幸在祭(さんやれさい)
現在の成人式、15歳の元服を神に奉告します。
御田植祭
6月10日 御田植祭(おたうえさい)

2009年05月25日

上賀茂神社 周辺散策

上賀茂神社 二の鳥居横の風流桜
上賀茂神社 二の鳥居横の風流桜

上賀茂神社の桜

上賀茂神社 しだれ桜
参道横のしだれ桜
上賀茂神社 斎王桜
上賀茂神社 斎王桜

上賀茂神社の一の鳥居から二の鳥居までの参道両側は広大な芝生が広がっています。芝生には何本か大きな桜が植えられています。
参道東側にはひときわ大きくピンク色の花をつけたの美しい「しだれ桜」が目に入ります。

一の鳥居側の東側には「斎王桜」があります。斎王とは皇族から未婚の女性から選ばれ、神に身を捧げたと言われます。現在でも、葵祭(賀茂祭)の時斎王代を勤める未婚の女性が選ばれ、御所から下鴨神社、上賀茂神社に使わされ、祭事が行われます。

上賀茂神社 しだれさくら
しだれ桜から一ノ鳥居を望む
上賀茂神社 見返りの桐
上賀茂神社 見返りの桐

上賀茂神社参道の西側には背の高い「見返りの桐」があります。葵祭の時期(5月5日)に加茂競馬(かもくらべうま)が行われます。馬の乗り手は「見返りの桐」で自分の身なりを整えたと言われます。

上賀茂神社 摂社・末社

上賀茂神社には多くの摂社、末社があります。多くは上賀茂神社境内にありますが、摂社でも久我神社のように、1km程度離れた場所にある神社もあります。
上賀茂神社の摂社、末社を紹介します。

摂社(境内)
片山御子神社(式内社/主祭神:玉依比売命)
新宮神社(主祭神:高龍神)
若宮神社(主祭神:若宮神)
奈良神社(主祭神:奈良刀自神)
賀茂山口神社(式内社/主祭神:御歳神)
須波神社(式内社/主祭神:阿須波神、波比祇神、生井神、福井神、綱長井神)
摂社(境外)
大田神社(式内社/主祭神:天鈿女命)
久我神社(式内社/主祭神:賀茂建角身命)
末社(境内)
棚尾社(主祭神:櫛石窓神、豊石窓神)
川尾社(主祭神:罔象女神)
橋本社(主祭神:衣通姫神)
岩本社(主祭神:底筒男神、中筒男神、表筒男神)
山尾社(主祭神:大山津見神)
土師尾社(主祭神:建玉依比古命)
杉尾社(主祭神:杉尾神)
山森社(主祭神:素盞嗚神、稲田姫命、田心姫命)
梶田社(主祭神:瀬織津姫神)
末社(境外)
藤木社(主祭神:瀬織津姫神)
白鬚社(主祭神:猿田彦神)
百大夫社(主祭神:船玉神)
鎮守社(主祭神:大国主神、少彦名神)
福徳社(主祭神:福徳神)
小森社(主祭神:水分神)
半木社(主祭神:天太玉命)
摂社 新宮神社
上賀茂神社 摂社 新宮神社
摂社 奈良神社
上賀茂神社 摂社 奈良神社

上賀茂神社の摂社「新宮神社」は本殿の東側にあります。「新宮神社」へは楼門を入らず、細い脇道を登っていきます。通常は新宮門が閉ざされているので、門から拝むことしかできません。
摂社「奈良神社」は上賀茂神社境内を流れる御手洗川が奈良の小川に分かれた辺りに鎮座しています。奈良神社のすぐ横には拝殿としても使われた「庁ノ舎(ちょうのや)」があります。庁ノ舎は台所としても使われたそうです。

上賀茂神社 末社 藤木社
上賀茂神社 末社 藤木社
藤木社横のクスノキ
藤木社横のクスノキ

境外末社「藤木社」は上賀茂神社の神官が住んでいたという社家が立ち並ぶ明神川の側に鎮座しています。藤木社は明神川の守り神として信仰されています。
藤木社の後方には樹齢500年と言われる楠(クスノキ)の大木があり、遠くからでもよく見通せこの地を示すシンボルとして崇められいます。平成18年には京都市指定の保存樹に指定されています。

上賀茂神社 社家(しゃけ)

上賀茂神社 社家町案内
上賀茂神社 社家町案内

室町時代から上賀茂神社の神官が代々住んでいた住居「社家」がよく保存されています。社家は上賀茂神社の一の鳥居の東側数百mにあり、上賀茂神社から流れ出た奈良の小川が明神川と名前を変えて、各社家の前を流れています。この地域は伝統的建造物群として保存地区に指定されています。

社家の伝統的町並み
社家の町並み
社家の一つ西村家
社家の一つ西村家

社家では明神川の水を廷内に引き入れ、生活用水としたほか、水垢離(みずごり)にも用い、体を清める水としても大切に使われていました。
中でも「西村家」は、社家庭園の様子がよく保存され、この地域の水利用の歴史を現代に伝えます。西村家庭園は有料で見学することが出来ます。
(見学料 大人:500円)

上賀茂神社のおみやげ

おみやげ すぐき
おみやげ すぐき
すぐきのなり田屋
すぐきのなり田屋

上賀茂神社のおみやげとして有名なのが「すぐき」と「やきもち」です。
「すぐき」は京都を代表する漬け物の一つで、その起源は桃山時代まで遡ると言われています。すぐきは上賀茂神社の神官が社家で自家用や贈答用に栽培したのが始まりで、江戸時代まではすぐきの種も漬け方も門外不出で「すぐき」を食べられるのは皇族や公家など上流階級だけという貴重な漬け物でした。明治以降一般農家にもすぐきの種や漬け方が伝わり、一般庶民でも口に出来るようになりました。
上賀茂神社バス停前には「すぐき」を販売しているお店がありますが、社家を散策すると有名店もあります。

やきもちの神馬堂
やきもちの神馬堂
おみやげ やきもち
やきもちの葵家

「やきもち」の歴史は「すぐき」ほどは古くはなさそうです。それでも江戸時代には上賀茂神社の門前であんこが入っていない餅を販売していたようです。江戸中期以降、上賀茂神社で行われる「葵祭」に合わせてあんこを入れたやきもちを販売するようになり、次第に門前菓子として「やきもち」が有名になったようです。
上賀茂神社の「やきもち」として有名な2店があります。一つは「神馬堂」で創業130年という老舗。もう一つは「葵家」で上賀茂神社バス停前にお店を構えています。

上賀茂神社 駐車場

上賀茂神社 駐車場
上賀茂神社 駐車場
上賀茂神社 境内案内図
上賀茂神社 境内案内図

上賀茂神社の駐車場は、自動改札式で参道の東側に整備されています。比較的大きな駐車場なので、お祭りなどの行事がないときは、空きがあります。

利用時間
入場 AM6:00~PM10:00
出場 随時
駐車料金
普通乗用車 30分毎 100円
(PM10~AM6は1時間毎に100円)
収容台数
普通車 約100台
問い合わせ先
上賀茂神社
TEL:075-781-0011

久我神社 摂社

久我神社 鳥居
久我神社 西の鳥居

上賀茂神社の境外摂社である「久我神社」は、上賀茂神社の南西1km程の住宅街にあります。

久我神社 本殿と拝殿
久我神社 本殿と拝殿
久我神社 手水舎
久我神社 手水舎

御祭神
賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)
社格
式内社
上賀茂神社の摂社(境外)

久我神社は延喜式にも記載されている式内社で、「三代実録」の貞観元年(859年)の項に記載があります。現在の本殿、拝殿は江戸時代に建てられたもので、本殿は上賀茂神社と同じ一間社流造で造営されています。拝殿は切妻造りですが、正面が妻側となる特異な建て方です。
古代この付近には「大宮の森」があったとされ、久我神社境内に残る巨木は当時の面影を伝えています。

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